お花見
春休みも終わり近く…。私は浩之ちゃんや志保たちとお花見に行きました。
雅史ちゃんや志保は後からやってくるそうなので、私は浩之ちゃんとお花見の場所取りに行くことにしたの…。浩之ちゃんはいつもみたいに……、
“しょーがねーなー”
って言う顔をしてたけどね…。うふっ。朝早く起きて、私はお花見に持っていくお弁当を用意する。
今年は浩之ちゃんが「夜桜ばかりも飽きたなぁ」なんて言うから、日中にすることにしたの。
志保は少し(というかかなり)不服そうだったけどね。うふふっ…。
朝9時に、浩之ちゃんの家へ向かう。浩之ちゃんは珍しく早起きしていた。びっくりだね…。私がそう思っていると浩之ちゃんは怪訝そうな顔を私の方に向けて……、
「おい、あかり…。今、お前が何を考えてたのか、分かるぜ…。当ててやろうか?」
って聞いてきたの……。私はうんと頷く。すると…、
「どうせお前のこった…、オレが早起きしたのが珍しいとか、びっくりしたとか…。そう言うことじゃねーのか?」
「すごーい。浩之ちゃん。でも、何で分かっちゃうの?」
「へっ! 伊達に幼馴染みを18年も続けてねーっつうの。ったく、しょーがねーなー」
って言って、いつもの顔になるの…。うふふっ、浩之ちゃん…。私、その顔、大好きだよ…。
お花見の場所を取るために近所にある河川敷まで行く…。近所って言っても、2、3キロはあるんだけどね。しばらく雑談しながら歩いていると、浩之ちゃんが……、
「あっ、そういえば…、あかり。弁当、オレの好きなものばかりだろうな?……」
「えっ? あっ、うん。最新の浩之ちゃんの好みのデータを元にして作ったやつだよ?」
私はそう言うと、上目遣いで浩之ちゃんを見る。浩之ちゃんはにかっと笑って…、
「よしっ! それでこそオレの彼女だっ!!」
まるで子供をあやすかのように私の頭を撫でてくれた。私はもうそれだけでニコニコ顔。
だって私、浩之ちゃんの彼女なんだもん! えへへっ…。河川敷に着くと、桜が青い空の下にいっぱい咲いていて、とてもきれいだった。
夜桜もきれいだけど、こういう桜もいいよね…。
シートを敷いて志保たちを待つ。浩之ちゃんはいつものダルい顔で、青空に映る桜をぼーっと眺めていたの。
うふふっ。そして……、
「浩之ー、あかりちゃーん。遅くなってごめーん!!」
雅史ちゃんが来たみたい。浩之ちゃんはシートから立ち上がる。雅史ちゃんは笑顔で私たちの方へ走ってきた。
「おうっ! 雅史ー。って、あっ? あの東スポ女は?」
「えっ? 志保? まだなの? 僕が家を出る時に電話したから、もう着いていてもいい頃なんだけどなー…」
雅史ちゃんがそう言うと、浩之ちゃんはげんなりした顔でこう言った…。
「…あの脳みそパーデンネン…。またどこかで寄り道してやがるな? ちっ…、しょうがねーなー」
「なっ! だ、誰がパーデンネンですって? そんな昔に流行ったキャラ、持ってこないでよね!! って、何年前のヤツよ? そのキャラ…。まったく〜。それにあたしは学園の超アイドル、長岡志保っていう立派な名前があるんですからね!! まったくこの男は…。ふんっ!!」
「て、てめぇ…、超アイドルは余計だろがーっ!!」
私たちは、後ろを振り向く。志保が遊び道具を鞄いっぱいに入れて腕組みしながら立ってた。
浩之ちゃんは、そんな志保に文句を言ってる。私と雅史ちゃんは、苦笑い…。麗らかな春の日差しが私たちを照らしていた。
夜、私は今日あったことを日記にしたためた。やがて襲ってくる眠気…。
欠伸を一回すると、私はベッドへと向かった。部屋の電気を消す。するとたちまち睡魔が襲ってきた。私は願う。明日もいい一日でありますように。と…。
〜END〜