ホームパーティーへようこそ
今日12月21日はアタシのBirthday。去年はセリカ先輩の家で、ゴージャスなダンスパーティーに呼ばれたんだけど、今年はヒロユキが、“今年はホームパーティー風にしようぜ!” って言ってシホと話をしてたんダヨ…。この前、シホにその話について詳しく聞いてみると?
「ああ、その話ね? もうすぐ先輩とあんたの誕生日でしょ? だからヒロとホームパーティーの話をしてたのよ。なんでも今年は“フレンドリィ”感覚のホームパーティーを開こうって言うことになっちゃったわけよ。あたしはカラオケとかそう言う賑やかしいのが一番だっていつも言ってるのに、ヒロったら、“おめぇは一人で何曲も歌うもんだからほとんどリサイタル状態じゃねーかよ?” とか何とか文句をたらたら言ってくるよっ?! 全くぅ〜。ぶつぶつぶつ…」
そう言うとシホはぷぅ〜っと頬を膨らませてるの。Dadたちが帰ってからアタシはシホの家にステイすることになったんだけど、シホは何かにつけてヒロユキの悪口ばかり言ってるの。でもね? アタシには分かってる。シホ、本当はアカリやセリカ先輩や、アタシと同じでヒロユキのことが大好きなんだってこと…。ことわざで言うと、“嫌よ嫌よも好きのうち” ってヤツだネ!
セリカ先輩の妹のアヤカとももうお友達だし、シホやアカリたちとは、昔、そう子供の頃からの顔馴染みのような感じがするの。それもこれも全部ヒロユキのおかげだネッ! アタシはそう思ってる…。
パーティーは6時ぐらいから始まるから、学校から帰って私服に着替えて、シホと一緒に出かけたの。いつものデニムのオーバーオールに、長袖のシャツ。上にオーバーを羽織ってるいつもの冬の格好。シホは“あんた、自分の誕生日なんだからもう少しおしゃれしたら?” って言って、呆れた顔で見てたけど、アタシはこれが一番にいいと思ってるヨ! 去年は生まれて初めてドレスって言うのを着てみたんだけど、正直動きづらかったな〜。でも半分は緊張してただけだったのかも知れないんだけどネッ? エヘヘッ…。
シホと電車に乗って、隣町の駅に到着。ヒロユキの家は去年の春休みに一回行っただけで覚えていないからシホの後をついていく。途中で迷子状態のマルチも混じってぺちゃくちゃお喋りなんかをしながらヒロユキの家に向かったヨ。でもマルチはほんとに可愛いネッ! ジョニーと同じぐらい可愛いヨ。うん。
「志保さんたちに出会わなかったらまた迷ってしまうところでしたぁ〜。あうぅぅ〜」
「ヨカッタネッ! マルチ! これぞ“袖触れ合うのも多少の縁”って言うやつネッ?」
「レミィ〜、あんたのことわざ、時々おかしいわよ?」
シホはそう言うとはぁ〜っとため息をつきながらこっちを見ている。アレレ? そう言う風な使い方じゃなかったの? きょとんとしながら聞くアタシ。シホは更にはぁ〜っとため息をつきながら、
「家に帰ってから調べてみれば?」
って、呆れ顔で首をすくめながらこう言うの。その格好がミッキーに似てて思わずアハハッて声に出して笑ってしまうアタシ。シホは不機嫌そうに、ぷくっと頬を膨らませながら、“レミィ、マルチ、行くわよ!” って言ってすたすた歩いて行っちゃう。その後をアタシはマルチの手をとって追いかける。マルチは、“ずびばぜ〜ん、わたしがドジなばっかりにレミィさんにまでご迷惑を〜”って言って鼻のところを真っ赤にさせてる。その顔がとっても可愛らしかったの。
マルチの手を引き、シホと話をしながら歩いている途中で、急に昔のことを思い出したヨ……。昔、そうアタシがまだエレメンタルスクールに行ってたときアタシは日本で、ううん、この町で暮らしていたことがあったんだ。そこで一人の男の子に出会ったの。いっしょに遊んだりなんかしてとっても楽しかったことを覚えてる。でもDadのお仕事の都合で急にアメリカに帰らなくっちゃいけなくなって、結局あの子とサヨナラ言えなかったけどネ…。あの男の子は今どこにいるんだろうって一瞬思うこともあるけど、元気にしてるよネッ! 絶対…。これはアタシの胸の奥に仕舞ってる大切な思い出…。
っと、ヒロユキの家が見えてくる。ぼ〜っと立ってるセリカ先輩の姿も見えた。早速セリカ先輩の元へ行くアタシたち。“こんばんは”と言って会釈すると小さく会釈してくれる。“早く入りましょ?” シホが言うと、ふるふるふると首を横に振るセリカ先輩。ぽそぽそ小さい声で話をする。“‘今日の主役はここで待機しててくんねーか’って浩之さんが仰っていましたので…” と言う声が聞こえた。“じゃあアタシも?” 親指で自分を指して言うと、こくんと頷くセリカ先輩。その間にシホとマルチはヒロユキの家の中に入っちゃったみたい。中からヒロユキの、“やい! てめぇ、ま〜た寄り道してやがったな?” って言う声と、“失礼ねっ!! 女はね、時間が掛かるものなのよ!!” って言うシホの声。それと、“まあまあ二人とも…” って言うアカリの声。いつも学校で聞く声が聞こえてたの…。セリカ先輩と二人、顔を見合わせて、ウフフって笑ちゃったヨ…。
「レミィ、先輩、もういいぞ〜」
ヒロユキの声がしてふっと後ろを振り向くとヒロユキが立ってた。セリカ先輩と話し込んでるうちにもう夜になっちゃったみたい。ヒロユキにも全く気がつかなかったヨ…。“二人して何を楽しそうに話し込んでたんだ?” そう言うとにっこり微笑むヒロユキ。“もうよろしいのですか?” 相変わらず小さな声で言うセリカ先輩。でも、顔を見ると嬉しそうに微笑んでる。ヒロユキはこくんと頷くとこう言ったの…。
「ああ、もう準備万端整ったぜ? でも、待たせちまって悪かったな? 先輩。レミィも寒かったろ? さあ、早く中に入って温まってくれ…」
「ううん、別に寒くなかったヨ! セリカ先輩とお話ししてたからネ? ネ〜、先輩」
「はい…。いっぱいお話しました…。浩之さんのことも…」
そう言ってポッと頬を赤らめる先輩。ヒロユキがアタシに向かって言うの。“一体何を話してたんだ?” って…。アタシはエヘヘッと笑いながらこう言うの…。
「言わぬが花ヨ…」
ってネ? 明日は一年でもっとも昼が短い冬至。今日もとても寒いネッ! でも本格的な冬はこれからヨ。今度はみんなでスパにでも行きたいなぁ〜と思う今日12月21日。アタシの18回目のBirthdayダヨ? エヘヘッ……。
END