女帝さまの誕生日
今日1月14日はあたしの誕生日なのだ!! とは言っても…、どうよ? このいつもの登校風景の様は…。さ〜りゃん辺りから、“おめでとうございます、ま〜りゃん先輩”という一言だけ…。それも生徒会の仕事の時に、思い出したかのようにそう言ってまた仕事に戻るという礼儀のなさ。え〜い、どいつもこいつもあたしの生誕祭をコケにしおって〜!! さ〜りゃんにブラジルのリオのカーニバルの恥ずかしい格好をさせて市中引き回ししても気が修まらんわ〜い!! たかりゃんに至っては、普通というか何も考えてないと言うか…。たまちゃんはたまちゃんでさ〜りゃんと一緒になってテキパキ仕事をこなしてるし…。
誰もあたしのことなんかいらない子みたいだよ〜っ! これじゃああの黄色い子みたい、いやそれ以下の扱いになっちゃうじゃん。ここは何とかあたしの存在感を知らしめて…、とは思うんだけどあのうるさい教師連中に見つかるとヤバイ事になるので、それは封印。結局今年もさ〜りゃんの家に押し掛けて、さ〜りゃんとイケナイ一夜を共にすることになるのか〜。悲しいなぁ〜、悲しいったら悲しいなぁ〜。しくしくしく…。そう思いながら帰宅の途につくあたしがいたんだ…。
どうせ一人寂しく誕生日を迎えるんだ!! 食い物くらいは豪勢にしちゃれ〜っと思って、普段買わない高級食材をしこたま買って帰る。日は短くてもう夜の帳が下りちゃってる。はぁ〜っと息を吐くと街路灯の灯りが漏れてるのか白い息がまるで怪獣の吐く光線のようになってた。“我はま〜りゃん怪獣! さ〜りゃん覚悟しろ〜!!” って言いながらさ〜りゃんの居城を落としに行くのも一興。でもその前に腹ごしらえで〜い。と、我が居城に向かう。てくてく歩いて、我が居城に到着。いつものように鍵穴に鍵を持っていって、んんっ? と不思議なことに気がついた。これ…、鍵開いてるよね? あ、あた、あたしのさ〜りゃんコレクションが〜…。他の家も見渡してみるけど鍵穴はいつも通りっちゅうか、どれも同じなので区別の仕様がないやいっ!! っていうか何であたしの家でだけなのだ? ぐぬぬぬぬぬ……。泥棒め〜!! 家の中にいたら、三族皆殺しにしてやる〜っ!!
そう思って、バ〜ンっと勢いよく玄関を開けて、“あたしのさ〜りゃんコレクションに傷一つ付けてみろ〜っ!! 末代まで祟ってやる〜っ!!” と言うが早いか……。
「え、え、えぅ〜〜〜っ! らっれりょうらららりろらんろうりらっれりうろりられろろれれろうっれりっれるれらりんらもん(だって今日はあたしの誕生日だって言うのに誰もおめでとうって言ってくれないんだもん)。えぅ〜〜〜〜っ!!」
「ま〜りゃん先輩、何を言っているのか分かりませんよ? それにその“えぅ〜っ”は私たちの陣営とは違う陣営の女の子の台詞です…」
全く、この人は…。これで何もなかったら、私の家に襲いに来る気だったんでしょう…。本気で…。いえ、前にも一回やられてますし…。でも、泣き顔なんて滅多にお目にかかれませんから、貴明さんたちはびっくりしてます。私はまあなんて言うか…。時々ですけど見てますからそんなには驚いたりはしませんけどね? うふふっ。
「さあ、ケーキにロウソクを灯して…、と、ま〜りゃん先輩、ふ〜って吹き消してください…」
「えっ? あっ、う、うん」
いつもの毒々しい気配は消えてますね? .素直にこくっと頷くと、ふぅ〜っとロウソクの火を消すま〜りゃん先輩。消す時に何か得体の知れないものまで飛んだような気がしましたが気にしないでおきましょう。向坂さん(弟)にでもあげれば喜んで食べてもらえるような気がしますし…。
さっきまでの怒った顔と泣いた顔はどこへやら……。にこにこ顔のま〜りゃん先輩のお誕生日の夜は静か……ではなく……。
「良きに計らえ、良きに計らえ。お〜っほっほっほっほっほ…。あ〜っと、たかりゃん!! あたしの椅子になれ〜」
「わわわわわっ…、うわぁ〜っ!!」
と賑やかしく過ぎていくのでした。って、ま〜りゃん先輩!! いくら誕生日だからって、わ…、わた…、私の貴明さんにやり過ぎですっ!!
END