Set of HairStyle


 ジリリリリリリリ……。寒い朝の日の光がカーテン越しに見える。手を伸ばし今までけたたましい音を出していた目覚まし時計を止めるとあくびをしつつ、背伸びをした。
「ふ、ふlぁぁぁぁ〜。さあそろそろ起きようかな〜っと…」
 今日12月1日はあたしの誕生日。この前からたかちゃんに、“12月1日はあたしの誕生日だから忘れたら嫌なんよ〜” って言ってるの…。去年は生徒会長さんとたかちゃんの取り合いになって大変だったけど…。っていうかあれはたかちゃんがあたしのお誕生日を忘れたのがそもそもの原因なんだかんね〜っ!! ぶぅ〜。とあの時のことを思い出しては頬を膨らませるあたし。でもその後たかちゃん、会長さんに謝ってあたしのお誕生日にってアクセサリー店に連れてってくれたっけ? あのときは嬉しかったなぁ〜…。ちなみに今つけてる髪留めはそのアクセサリー店で買ったものなんよ〜。うふふっ。
 なんて考えてる間にも時間はどんどん過ぎてっちゃうんよ! そう思って、洗面台へと向かう。鏡を見るといつものように爆発髪があったんよ。はぁ〜。いつも思うんだけど何であたしの髪の毛ってこんなにくせっ毛なんだろう…。パパやママはそんなにくせっ毛じゃないのに…。ママが言うにはパパのママ、おばあちゃんがものすごいくせっ毛であたしはその血を引いてるんだって。おばあちゃんはあたしがまだ小さいころに死んじゃってもういないんだけど、写真を見た中ではそんなにくせっ毛じゃないと思うんだけどなぁ〜。うーん、どうなんだろ…。
 そう思いながら丁寧にブラッシングしていく。くせっ毛と言うこともあってブラッシングし終わるのに酷いときで1時間くらいかかっちゃうときだってあるんよ? 今日は30分くらいかな?…。洗面台に備え付けられたタマゴの時計を見るとちょうど30分。ビンゴだ〜っ! 今日はいいこといっぱいあるかも…。そう思っていつもの髪留めをくせっ毛な髪の両端に結わいで止める。ふんふふふ〜ん♪ と鼻歌も自然に出てくる。鏡を見るといつもの花梨ちゃんの顔があったんよ? えへへっ。
 台所へ行くとママがいつものタマゴサンドを作ってる。“おはよう、ママ” と言うと、“おはよう花梨ちゃん。ママこれからお仕事行ってくるけど、戸締りしておいてね? それから今日は出来るだけ早く帰るから…” って言って出て行っちゃう。パパは毎朝早くに出かけるからあたしが起きるころにはもういない。でも休日とかには家にいてあたしの話を聞いてくれるんだぁ〜。タマゴサンドを食べる。いつ食べてもおいしいんよ。ママの手作りタマゴサンドは…。そりゃまあ学校のは学校のでおいしいんだけどね?…。てへへっ。そう思って時計を見ると8時前。
 もうそんな時間なんだぁ〜って思って慌てて残りのタマゴサンドを口の中に放り込み、ちょっとぬるくなった紅茶を飲みほしてを食器を台所に置き予め持ってきた鞄を手に、玄関へと向かう。さあ、今日はどんな不思議のことが待ってるんだろう。そんなことを思うとちょっとドキドキ。“行ってきま〜す” 誰もいない家に向かってこう言うとあたしは学校へと向かったんよ。


「あっ、たかちゃん発見! って横にいるのは会長さん?…。ま、またあたしのたかちゃんを狙おうとしてるんだね〜? 許せないんよ〜!!」
 目の前にはたかちゃんと、あたしと去年たかちゃんを取り合った会長さんが話をしながら歩いてる。ちなみに会長さんはもう学校は卒業して今は近くの大学に通ってるんだけど…。“怪しい。って言うかたかちゃんもはっきり言えばいいのに〜!! よ〜し、こうなったら実力行使なんよ〜っ!!” そう独り言を言うとあたしはたかちゃんの背中に飛びつく。“う、うわわぁ〜” そう驚いた声を出すたかちゃん。会長さんは、“ど、どうかしたの? 河野さん” って言ってたかちゃんのほうを見るけどあたしがじ〜っと睨んでるのが分かると、“そう言うことだから、またよろしく頼むわね? 河野さん” って言ってそそくさと大学の方へ行っちゃった…。にしてもたかちゃんは浮気者なんだから〜…。そう思ってると…。
「あ、あのさ…。笹森さん? 降りてくれない? ちょっと重いのとぽよんとした感触が…」
「むむむぅ〜っ! 女の子に対して“重い”は禁句なんよ!! それにまた会長さんと楽しそうに話なんかして〜。たかちゃんは罰として花梨を学校内まで負ぶっていくこと!! もし途中で振り落としたりなんかしたら呪っちゃうかんね〜?」
 こう言うあたし。でも女の子に“重い”とか言うたかちゃんのほうが悪いんだかんね〜? ぷぅ〜っと頬を膨らますあたし。でも本当はそんなに怒ってない。会長さんはたかちゃんのことを信頼してるんだし……。でもでもあたしの前では話とかしないでほしいなぁ〜。そう思って前にも増してギュって抱きつく。たかちゃんはもう顔が真っ赤だろう。だって耳まで真っ赤なんだもん。うふふっ。
 そう思いながらたかちゃんの背中に負ぶられて学校へと向かう今日12月1日はあたしのお誕生日なんよ…。

END