誕生日の勉強会
今日、7月9日はアタシの誕生日。
だから今日はアニキが付き合ってくれるって言ってくれたんだ! キャハッ! 楽しみだな〜。待ち合わせは4時半だから、学校から帰るとすぐにいつもの服に着替えて出かけたの…。
てくてく歩いて約10分。やっと着いたよ〜! アニキは? っと辺りをきょろきょろしてると、
「お〜い。りんり〜ん!!」
声のした方を見るとアニキが手を振って立ってた。
アタシたちは電気街へ行くことにする。アニキは……、
“やっぱりね…”
って言う風な顔で笑ってたけどね。…って、何も笑わなくったっていいじゃないのよ〜。
失礼だよ! アニキ!! ぷぅ〜っと頬を膨らませる。そうこうしているうちに電気街の入口が見えてくる。
電気街にはメモリとかマザーボードとかアタシの欲しい物がい〜っぱい。てへへっ…。
でもね、アニキってば機械音痴でアタシの言ってること、ちんぷんかんぷんってな具合に聞いてるの…。そりゃあ、アタシだってアニキが機械音痴だって言うことは分かってるけど…。
でもエアコンの温度調節も出来ないなんて、酷すぎると思うのよ…。今日び雛子ちゃんや亞里亞ちゃんだって、それくらいのことは出来るのに…。そう考えたアタシは…。
「アニキ、今日アタシの家に来て!!」
「えっ? プレゼントは? 買わないの?」
うっ! そ、そりゃあ今、目の前にアタシがずーっと欲しかった、360GBの内蔵ハードディスクとか、最大1GB以上のメモリを積み込めるマザーボードとかはあったりするけどさ…。
しかも4割から7割引きで…。見ただけでよだれが出てきちゃう…。
でも、今はそれどころじゃないのよ!! アニキの機械音痴を治すほうが先だわ!! アタシは言ったの…。
「アタシがその機械音痴、治してあげる!! ラボに行って勉強よっ!!」
「えっ? ええっ? む、無理だよ…。鈴凛。僕が昔から数学とか理科は駄目だって言うことは、鈴凛だって知ってるだろ? それに今さら機械音痴なんて治りっこないよ〜…」
そんなことを言うとアニキは、涙目でこっちを見てくる…。何だか可哀想に思えてきちゃった……。
でもここは心を鬼にしてやらないと…。アニキは炊飯ジャーもロクに使えずに…。はっ!! こうしちゃいられないわっ!!
「アニキ! つべこべ言わずに着いてくる!!」
「ちょ、ちょ、ちょっと…。りんり〜ん!!」
腕を組んでアタシは走り出した。行き先は…、もちろんアタシのラボ。明日、明後日はお休みだからちょうどいいわ…。アニキ専用のお泊りセットもあるしね…。
あっ、そうだ! せっかくアニキが来てくれるんだもの…、今日はアタシの料理でおもてなししちゃおっと…。
うふふっ。そう思ったアタシは…、
「ねえ、アニキ。ちょっとスーパーで買い物して帰ろうよ…」
「えっ? べ、別にいいけど? …あっ、そうか…。……ありがとう、鈴凛…。でも今日は鈴凛の誕生日なのに…。何か逆になっちゃったね…。あはは」
アタシの思ってることが分かったように、照れくさそうに頬をぽりぽりと掻きながらそんなことを言うアニキ。うふふっ。照れた顔も可愛いよ…。アニキ……。
「それじゃあ、行こうか?…」
そう言うと、アニキの大きな手がアタシの手を包んだ。暮れる夕日を見ながらアタシは…、
“アニキ、ありがとう…。大好きだよ…”
ってそう心の中で言ったの…。アタシのそう言う誕生日だったんだよ…。うふふっ。
END