兄やと誕生日の夜
11月2日…。今日は亞里亞のお誕生日だったの……。でも、兄やは…、くすん…。
兄やはちょうど課外授業? とかで、お家に帰る時間が遅くなっちゃうんだって…。兄やが課外授業の前の日に亞里亞のお家にやってきて…。
「ごめんね…。亞里亞…。僕の学校の課外授業と重なっちゃって……」
って、そう言ったの…。亞里亞、とっても寂しかったから“行かないで…”って言おうとしたら…、じいやが兄やの顔をちょっと怒ったように見てこう言ったの…。くすん…。
「いいえ。兄上さま…。学生は学業が本分なのですよ? 学業を疎かにしてはいけません! それに亞里亞さまをあまり甘やかさないで下さいませ! …亞里亞さまにはわたくしから言って聞かせますから…」
じいやのいじわる…。兄やはじいやに怒られてちょっと寂しそうにしてたの…。くすん…。
「すみません、じいやさん…。分かりました……」
そう言うと、兄やは亞里亞のお顔を見て…、
「亞里亞…。ごめんね…」
ぺこりって頭を下げて謝ってたの…。…あっ、亞里亞、今とってもいいこと思いついちゃった。これなら大好きな兄やと一緒にいられるし…、怒りんぼのじいやもいないし…。うふふっ…。亞里亞、兄やに言いました。
“亞里亞もいっしょに連れてって…” って……。
途端に怒りんぼのじいやのお顔がますます怒ったお顔になったの…。くすんくすん…。兄やは亞里亞のお顔を見て……。
「ごめんね。亞里亞…。亞里亞を連れて行ってあげたいけど、怖いところがいっぱいあるんだよ? 亞里亞の嫌いなオバケとかも出るかもしれないよ?」
兄やは、少し怖いお声を出して言いました。亞里亞、怖いところもオバケも嫌いです…。くすん…。でもすぐに兄やは優しいお声に戻って…。
「…その代わりといっては何だけど、お土産に亞里亞の大好きなお菓子をいっぱい買ってきてあげるから…」
って言って亞里亞の頭を撫でてくれたの…。わぁ〜い。兄やは亞里亞のナイトさまなの…。うふふっ。そう考えると亞里亞、何だか嬉しくなっちゃって笑い出しちゃった…。兄やも一緒に笑ってたの…。あははって…。じいやは亞里亞と兄やのお顔を不思議そうに見つめてたの…。
そして、今日。亞里亞のお誕生日…。じいやたちが亞里亞の大好きなものを用意してくれました…。でも、一番大好きな兄やは亞里亞の前にはいないの…。そう考えると、亞里亞、何だかとっても寂しくなっちゃって…。くすん…。
夜になるととても寂しくなっちゃって、フランスにいた頃にママンから貰ったお人形をぎゅって抱きしめてたの。でも…、寂しくて亞里亞、また涙が溢れてきちゃった…。その時…、
「亞里亞…、約束のお菓子だよ…。それとお誕生日、おめでとう…」
ラムネのお菓子とかクッキーとかチョコレートとか…、いっぱい袋に入れて亞里亞の横に座る兄や。兄やが袋からラムネのお菓子を一つ取って、亞里亞のお口に入れてくれる…。シュワシュワッてお口の中で溶けて、とってもおいしかったの…。優しい兄や…。やっぱり亞里亞は兄やが一番大好きです。ありがとう、兄や…。
END