お姉ちゃんドキドキする
第7話 衛の場合
「ほらぁ〜、航。さっさと起きちゃって!!」
現在10月18日午前6時…。あねぇは今日も僕を起こしに来る。体育大会もやっと終わってほっと一息ついたと思ったらこれ…。“も、もう少し寝かせて〜” っと甘えてみるものの、僕のあねぇは“何言ってるの? 航はもう少し体力つけないとダメ!! ほらさっさと起きる!!” って言いながら問答無用な感じで布団をはぐってくるわけで。確かに僕は体力がない。この前の体育大会でも走るのは後ろから数えたほうが早かった。それに比べて僕のあねぇは毎年体育大会では大活躍なんだけどね。特にリレーとか走ることに関しては学校でも有名なわけ。ついでを言うと国体の選手に選ばれるんじゃない? って言う噂もまことしやかに囁かれているんだけどさ。まあ、そんなあねぇだから僕もある意味誇りに思ってる。でもあねぇ本人はそんなことは考えていないらしい。運動音痴な僕が言うのもなんだけど、正直勿体無いなぁ〜なんて思ってるんだけどね? と言うか、今は僕の体力(特に脚力かな?)をもう少し改善させようとやたらと僕を体育大会の次の日の朝からジョギングに誘いに来るわけで。まあ僕の体のことを考えてくれているわけだから当然嬉しいんだけど嬉しい反面、言うことを聞かないと一日ぶすっとした表情で僕の顔を上目遣いに睨んでくるから手に負えないわけだけどさ……。
で、今だ。いつもの通り布団をはぐってくるあねぇとはぐられないように必死で布団を押さえる僕がいるんだけどね。最近はめっきり寒くなったのか起きるのにも時間が掛かるんだ。でもそんなことを言うと決まってあねぇは、“そんなものは慣れだよ! 慣れ! もう! ネボスケなんだから〜っ!! さっさと起きてお姉ちゃんと一緒に走るの!!” とちょっと怒ったような声でこう言って今までより力を入れて布団を剥ぎ取ろうとする。“後5分だけでいいから〜” って懇願するように言っても、“5分が10分、20分になっちゃうんだからちゃっちゃと起きちゃったほうがいいの!!” って言いながらいよいよ布団をはぐられそうになる僕。昨日は夜中まで勉強していたため眠くって仕方がない。そんな僕の事情も通じるわけもなくあねぇは布団をはぐってくる。むむむむむっ…。こうなれば最終手段だ〜っと思い、おもむろにあねぇの手を持つと一気に引く。僕を起こすのに前のめりになっていたあねぇは当然僕のほうに倒れてくるわけで…。
「もう!! き、今日だけだからね? 全く航はぁ〜。恥ずかしいって言うか気持ちがいいって言うか…。ぶつぶつぶつ…」
そう言いながら僕の体にぴとっと自分の体を押し付けてくる。僕自身やったこととはいえ、恥ずかしくて仕方がないんだけど。あねぇは頬を赤らめつつ恥ずかしそうにそんなことを言っては口を尖らせてながらも僕の布団に潜り込んで体を僕のほうに寄せる。はぁ〜っと一つため息をつくと、“そ、そんなにくっつかないで〜” と言うと、“お姉ちゃんの言うこと聞かない罰だよ〜” って言いながら更に体を僕のほうに寄せてくる。ちょ、ちょちょちょちょっと待って! そう言いながら離れようとはするんだけど生憎と壁際にいたものだから逃げるに逃げられないわけで。
僕の顔、多分真っ赤になってるんだろう。顔が熱く火照ってるんだから。現在朝の6時15分を少し回ったところ、朝走らなかった分、夕方に走らされるんだろうな? そう思いつつもう少し眠っちゃおうと思う今日10月18日、僕の大好きなあねぇの誕生日だ。ちなみにその日は遅刻ぎりぎりで、あとであねぇから朝にも増してぶつぶつ文句を言われたことは言うまでもなかったんだけどね?
END