お姉ちゃんドキドキする

第10話 花穂の場合


 今日1月7日はボクのお姉ちゃまのお誕生日。ボクのお姉ちゃまは何もないところでコケたり、料理を作っても塩と砂糖を間違えたりしてるんだけど、それでもお姉ちゃまらしくて、ボクは結構頼りにしてる部分もあったりしてる。そうそう、去年はお姉ちゃまと一緒にお出かけしようと思って、確かボクがお財布を落としたんだよね? いつもは落ち着いてるボクだったけどあの時はすっごく慌ててて。かわりにお姉ちゃまのほうが落ち着いててそれが普段のお姉ちゃまとは違っててすごいなぁ〜って思っちゃった。でもそのあとで、またコケちゃうところがやっぱりお姉ちゃまだね? ってちょっと納得しちゃう。お姉ちゃまの恥ずかしそうに笑ってる顔は1年経ってもボクの記憶の中にしっかりと残ってるんだ〜。えへへっ。で、今年。今年もお姉ちゃまとパパとママと4人でお買い物に来たんだけど…。後ろを見るとお姉ちゃまがいないよ〜っ!! また迷子になっちゃったんだ〜って思ってパパやママに言おうと思ったんだけど…。パパもママもいない。ええ〜っ? どういうこと? って考えてみるけど分からない。こ、こう言うときは深呼吸して〜っと深呼吸してみたところでパパやママやお姉ちゃまが見つかるはずもなく…。と、とりあえず迷子センターにでも行こうと思ってあちこちと見回してみる…。
「え〜っと。迷子センターはどこかなぁ〜…」
 デパートの案内板のところまでようやく辿りついてじっくり見てみる。現在地は〜っと…。あっ、ここだね? じゃあ肝心の迷子センターは? って探してみる。1階の入り口付近だから、ここからだとすぐそこの階段を下りて、右に向かって歩いた先だね? そう思って階段を降りるボク。降りた先をさっき見た案内板の通り歩いていくと迷子センターって言う大きな看板が見える。あそこでお名前とどこから来たのかを言えばお姉さんが放送してくれるんだって思うと何だか今までちょっと心配だった顔が何だかにこにこ笑顔になっちゃう。早速向かおうとするんだけと…。
「やっぱりお姉ちゃまが心配だよ…。そんなに広くないところだし探しに行こうかな?」
 って思ってお姉ちゃまを探しに行くボクがいたんだ。お姉ちゃまの好きそうなお花屋さんとか、おもちゃ屋さんとかを見て回るけどお姉ちゃまは見つからない。もう! これじゃあボクがお兄ちゃまみたいじゃない! ってちょっとぷぅ〜って頬を膨らませるボク。ケーキ屋さんかな? って思ってケーキ屋さんのほうにも見に行ったんだけどいなかった。
「全く〜。パパもママもお姉ちゃまも〜…」
 って元の案内板のところに戻ってきて、ぶつぶつ言ってると遠くのほうからボクを呼ぶ声が聞こえてくる。その方向を見るとぴょんぴょん飛び跳ねてるお姉ちゃまと手をボクに向けて合わせてごめんと謝るパパとママの姿があったんだ…。


「お姉ちゃまがいなくなったからボクは一生懸命に探してたって言うのに〜っ! パパもママもボクのことを放ったらかしにしいなくなっちゃうし…。ぶぅ〜っ!!」
 ボクはこう言ってお姉ちゃまの手をしっかり握る…。帰り道でボクに叱られてしゅんってしょげてるお姉ちゃまたちがいたんだ。でもおもちゃ屋さんでずっとほしいおもちゃを見てたって言うことは、言わないでおこう。もし言ったりなんかしたら、お姉ちゃまから、“航ちゃんも花穂と同じじゃない〜” ってぷりぶり怒ってきそうだからね? そう思いながらママの手を取るとママが優しく握り返してくれる。パパもお姉ちゃまの手をギュって繋いでる。パパとママもお姉ちゃまやボクの手を繋ぐようにギュって繋いでる。何だか同じだね? と思うと1時間前までのぷんぷん怒ってた顔がウソのようににっこり笑顔に変わっちゃってる今日1月7日はボクの大好きなお姉ちゃまの12歳のお誕生日だったんだよ?

END