散歩に行こう
第3話 雨に唄えば
今日6月21日は四葉のバースデーデス。デスから四葉、こうして雨の中、兄チャマとの待ち合わせ場所に向ってるんデスよ? しかし日本はよく雨が降りマスね? 今日も小雨がパラついてマス。四葉はイギリスで育ちましたから、兄チャマと暮らし始めた頃はどうもこの日本の梅雨とかは慣れませんデシタ。あのじめじめとした感触が嫌だったなぁ〜。なんて…。えへへっ。でも今はもうそんなこともないんデスけどね?
「傘も新しいのを買いマシタし〜。あっ、これ、兄チャマにも見せちゃうデスよ〜。ふふふ〜ん」
そう思い家を出るときこの間買っておいた新しい傘をてにとって出かけマシタ。家を出るときテレビのウェザーニュースで降水確率を見たところ50%…。“一応傘は持ってお出掛けして下さい”と言うことなので、持って出ることにしますネ? グランパのお写真にそう言って傘を手に四葉は兄チャマとの待ち合わせ場所まで出かけマス。
四葉のグランパはイギリスにいます。デスから四葉が日本に来てしまって寂しいんだろうなぁ〜って思うこともありマス。でも日本に来る前にグランパが言った言葉が四葉は忘れられマセン。“たとえ遠くに離れていたって四葉とわしは繋がってるんじゃよ?” って…。にっこり笑ってそう言ってくれたんデス。そのことを兄チャマにお話しすると? “四葉はいいグランパを持ってるんだね? って、僕にとってもグランパになるんだね?” そう言って、にっこり微笑んでくれマス。その兄チャマの笑顔はどことなくグランパに似ていマシタ。
てくてく歩いて待ち合わせ場所まで向かいマス。途中、フロッグが鳴いている声が聞こえてきました。兄チャマに聞いたんですけどフロッグがなくと雨が近いんデスね? そう思っていると、ポツっと鼻の頭に何かを感じました。空を見上げると雨がぽつぽつと落ちてきてマシタ。“どおりでフロッグが鳴いてると思った…” そう思い持っていた傘を開きマス。ぱっと雨の中に花が開いたようデシタ。
「んっ? 四葉? 何か嬉しそうだけど、何かあったの?」
「クフフ…。ちょっとデスぅ〜」
兄チャマが不思議そうに四葉のお顔を見てこう尋ねます。フロッグのことをお話しすると、“ああ、もういっぱい鳴いてるよ?” こう言って微笑んでくれマス。大きめの傘の花の下、お気に入りの傘をステッキ代わりに歩く四葉と兄チャマ。どこからともなく、よくグランパが口ずさんでいた歌が聞こえてきてマシタ…。
END