散歩に行こう
第7話 クシコスポスト
今日10月18日はボクのお誕生日。だからこれからあにぃと一緒にサイクリングに出かけるんだ。学校は、今日だけずる休みしちゃった。お父さんたちも、“まあしょうがないか。たまにはね?”って許してくれたし、あにぃも会社に有給休暇をもらったって聞いてる。だから何も問題ないんだよ。てへへっ。誕生日の朝、いつものように起きてお父さんたちと一緒に朝食をしっかり食べて、お父さんたちを見送るんだ。お母さんも働いてるんだよ? それで、それから寝坊助なあにぃを起こすんだ。って、これはボクの毎日の日課かな?
「うーん、もう少しだけ寝かせてくれよ〜。衛〜…」
今日もいつものように起きないあにぃ…。こうなったら、こちょこちょ攻撃しちゃうぞ。せ〜っの…。こちょこちょこちょこちょ…。こそばゆいところをこそばすんだ。あにぃのこそばゆいところはもう何年もやってるから分かってるんだよ? 当然けらけら笑い出すあにぃ。
「わ、分かった、分かったからこそばすのはやめてくれー、あははははっ」
ほらね? やっと起きたあにぃにボクはにっこり笑顔で、“おはよう、あにぃ!” って言うんだ。これもボクの日課かな? あにぃがご飯を食べてる間に準備をしておこうっと…。いつも乗ってるボクのMTB。ボクの隣りにはあにぃのMTB。お父さんからおそろいで買ってもらったんだよ。にっこり笑顔で調子を確かめる。うん、今日もどっちともいいみたい。
「準備完了だね? 衛。じゃあそろそろ出発しようか?」
服に着替えてやってくるあにぃ。“一緒に出かけるのて久しぶりだね?” MTBを漕ぎながらそう聞くと、“ああ、そうかもね。最近忙しかったからなぁ〜” そう言って微笑むあにぃ。その顔がボクの一番好きな顔なんだよ…。MTBを漕いでいると遠くの方で、聞きなれた曲が聞こえてくる。どこかで運動会でもやってるんだね? そう言えばこの前の運動会は楽しかったなぁ〜…、そう思ってあにぃの顔を見るとあにぃもボクと同じことを考えていたんだろうか、微笑みを浮かべてボクの顔を見つめてたんだ。
「どうせだから見て行かない? 楽しそうだしさ…」
そう言うあにぃ。当然ボクはうんと首を縦に振る。MTBをまた走らせて、曲のするほうへ向かったんだ。
「楽しそうだったね? あのピラミットとかきれいだったなぁ〜…」
「衛、今度の運動会にやってみようって思ってるんじゃない? 仲間を集めてさ…」
ふふふと笑うあにぃ。“てへへっ、ばれちゃったか…” 舌をちょっと出して照れ笑いを浮かべるボク。あにぃの顔を見るととっても優しい顔だった。ボクの一番大好きな顔。夕焼けは赤い残光でボクたちを照らしてる。そんな今日、10月18日はボクの誕生日だったんだよ…。
END