散歩に行こう

第8話 ジュ・トゥ・ヴー


 今日11月2日は亞里亞のお誕生日です。いつも怖いじいやも今日は優しいの…。それにね? 今日は亞里亞の大好きな兄やが来てくれるってこの前じいやから聞かされたの…。だから亞里亞ず〜っとず〜っと待ってたの。兄やは大学っていうところでお勉強しているんだって。じいやに聞くと、“大学に入るのには亞里亞様がなされているお勉強をもっともっとしなくては入れませんね?” って言うの。亞里亞、お勉強嫌いです。でも兄やとは一緒にいたいの…。くすんくすん。
「こんにちは亞里亞。じいやさんもいつもありがとうございます」
 そう言ってぺこっとお辞儀をする兄や。1ヶ月に1回しか会えないから亞里亞はとってもとっても嬉しいです。じいやが、“いえいえ…、亞里亞様のご面倒を見るのがわたくしの勤めですから” そう言ってにこって微笑んでるの。じいやも兄やに会えて嬉しいのかな? 亞里亞はそう思いました。お部屋に着くと、じいやは夕食の準備に行ってしまいました。兄やと二人っきり。何をして遊ぼうかな? お人形で遊ぼうかな? ご本を読んでもらおうかな? う〜んって悩んでると兄やが…。
「ねえ、亞里亞。お散歩しない? 外はとっても気持ちいいよ?」
 って窓ガラス越しに見えるお外を見ながら言いました。今日はぽかぽかいいお天気です。亞里亞はにっこり微笑んでうんって頷きました。じいやに言うと、“そうですね。亞里亞様も散歩に行きたいと仰っていましたし…。兄上様。どうかよろしくお願い致します” って言ってお辞儀をしてるの…。いつも怖いじいやも兄やに会えばいつもこうです。うふふっ。兄やとお家の周りをお散歩します。お庭の木はまるでお洋服を着たようです。赤や黄色のお洋服…。亞里亞も着てみたいなぁ〜。そう兄やに言うとにっこり微笑んで、
「じゃあ、今度僕と一緒にお買い物に行こうね?」
 そう言うと亞里亞の頭を優しく撫でてくれました。


「あら、亞里亞様。何だかとっても嬉しそうですよ? 何かいいことでもありましたか?」
「うふふっ、内緒なの…。ねぇ、兄や?」
 じいやはとっても不思議そうに亞里亞と兄やのお顔を見てたの。兄やも、“うん。内緒だね?” そう言って亞里亞のお顔を見てる。じいやはますます不思議なお顔をして亞里亞と兄やを見ていました。そのじいやのお顔を見てまたうふふって微笑んでしまう今日11月2日、亞里亞のお誕生日でした…。

END