散歩に行こう

第10話 プラチナ


 今日1月7日は花穂のお誕生日なんだぁ。だから花穂、お兄ちゃまとお出かけするんだよ? 花穂のお兄ちゃまは学校の応援団長をしてるの。だからじゃないけど礼儀にはとても厳しいんだぁ。ある部活の応援に行ったときでも、竜崎先輩と応援の仕方や何かでちょっと揉めていたし…。でもそれは学校だけで、家ではとっても優しいお兄ちゃまなんだけどね?
 え〜っと待ち合わせ場所はここでいいよね? ちょっぴり不安だよ〜。だってね、この前花穂、お約束の場所を間違えてお兄ちゃまを待たせちゃったことがあったから…。お兄ちゃまは、“誰にでも間違いはあるんだよ? 花穂” って言って慰めてくれたけど…、花穂はやっぱりドジだなぁ〜って思っちゃって、そしたら何だか情けなくなっちゃって、泣いちゃったの。お兄ちゃまはそんな花穂を優しく抱きしめてこう言ってくれたの…。
「誰にでも失敗はあるんだ。もちろん僕にも失敗はある。でもね。花穂…。人間って言うのはその失敗で何かを掴むんだと思うんだ。初めは出来なかったチアだって今はうまく出来るようになったじゃない? だから花穂は失敗を恐れちゃいけない。もちろん、自分は何でも出来るんだ〜って過信してもいけないけどね? でも、失敗の上に成功があると思うし、実際多くの人が何度も何度も失敗して、その失敗したものからを得て成功してるんだよ? ほら、失敗は成功のもとって言うだろ? 失敗して初めて気がつくことがある、そしてそこから何か得られるものがあると思うんだ。僕はね?」
 そう言って花穂の頭を優しくなでてくれるお兄ちゃま。花穂はお兄ちゃまがますます好きになっちゃった。えへへ…。そう思って辺りを見回してみる。お兄ちゃまから予めもらっておいた地図とここの様子を見比べてみたんだ。えーっと…。噴水はここで花穂がいるところはここだから…。うん。間違いはないよ? お兄ちゃま…。そう心との中で言ってると…。


「ふう、ふう。ご、ごめん。花穂。随分待たせちゃったね?」
「ううん。花穂も待ち合わせ場所、ここかどうか不安で、迷ってうろうろしてたんだー。だからおあいこだよ?」
 ちょっとうそ。でもお兄ちゃまはそんな花穂のうそなんかお見通しみたいで、“優しいね。花穂は…” って言いながら優しく頭をなでてくれる。そんな1月7日、花穂のお誕生日だったんだよ? えへへっ…。

END