家庭菜園始めました
第3園 四葉の菜園
「こっちはこれでよしと…。そっちはどう? うまくやれそう?」
今日6月21日は四葉のお誕生日デス。今年は兄チャマが“家庭菜園をするよ〜っ!!” って言って家庭菜園を始めて、四葉もそのお手伝いをしていると言うわけデス。梅雨も本格的になってきて雨ばかり降るような時期なんデスケド、今日はそう言うこともなくすっきりした青空が広がっていマス。言うところの“梅雨の晴れ間” と言うヤツデスネ? そう思いマス。今は夏野菜の収穫とか秋に植える野菜の選定で忙しそうにしている兄チャマ。何でも大学で使うんだそうデスケド、四葉にはその辺はちんぷんかんぷんで分かりマセン。ただ兄チャマは難しい勉強をしているんだなぁ〜って思ってマス。そうそうパパやママたちは外交官のお仕事で帰って来るのは年に2回か3回くらいデス。時々寂しくなって兄チャマのベットに潜り込んだりしてマスけど、その都度兄チャマが、“もうしようがないなぁ〜” って言って一緒に寝てくれマス。学校のお友達に聞いてみるとみんなそんなことはしないって言ってマスケドね? って! 今そう言うことを考えている余裕はないのデシタ。四葉の目の前には夏大根がでんっ! とあるのデスカラ…。
「これを引き抜くんデスよね? ふぬぬぬぬぬぬぅ〜っ!!」
と四葉は兄チャマに頼まれた夏大根の収穫を手伝っているのデスケド、これがなかなかにうまくいきマセン。力は結構あると思って、今朝兄チャマにお手伝いをお願されて、うんっ! って元気よく頷いたのに…。これはひょっとして何者かが四葉にこの夏大根を引き抜かせないようにするためのワナ? そう思っていつも持ち歩いている虫眼鏡で大根付近を調べてみマス。根っこのところにミミズ発見! さてはこのミミズくんが今回の事件の重要参考人のようデスネ? クフフッ。そう思ってミミズくんの動きをじっと観察していると、兄チャマが不思議そうにこっちにやってきて、“な〜んだ。ミミズを見てたのか…” って言ってにっこり微笑んでいマス。なかなか抜けなくて…、と四葉の今の状況と推論を言うと、微笑んだ顔の兄チャマがますます顔を綻ばせてこんなことを言ってきマシタ。
「うん、ミミズも重要参考人だけど、もっと大事なものを忘れてない?」
って…。ミミズくんよりも大事なものですか…。うーん、と頭をひねりつつ考える四葉デスが、なかなかこう言うときにインスピレーションと言うか、そんなものが浮かんでこないんデスねぇ〜? 四葉が考えていると、兄チャマは四葉の収穫するはずだった夏大根を、“よいしょ!” と引き抜きました。土とかがいっぱい根のほうについてマス。それを見た兄チャマはうんと頷いて、四葉に今回の犯人の特徴を教えてくれマス。“ミミズくんは何を食べて生活しているのでしょうか? これが第1ヒント。そしてこの大根の様子はどうなのかな? これが第2ヒント。で、最後が四葉のさっきの行動。このことから求められる犯人像が分かるんじゃないかな?” って。ミミズくんは何を食べているのか…、ですか。そう言えば四葉、ミミズくんの食べるものを知らないデス。次に大根デスケド、大根は土がいっぱいついてマスね? そこで、あっ! と急に謎が解けるような感じがしマシタ。ホームズさんと同じくらい尊敬しているポアロさんのように灰色の脳細胞が急に活発化してくるような感じがしマス。“犯人はこの土デスッ!!” そう言って兄チャマのお顔を見るとにこにこしたお顔をもっとにこにこさせて四葉を見つめていマシタ。
「よく分かったねぇ〜。そうだよ? この土が犯人なんだ。触ってみて分かるだろ?…。さらさらしていてしかもほんのりしっとりしている。そんな土が大根、いや植物の生育にはかかせないんだよ?」
土をもう一度触ってみマス。兄チャマの言う通りの感覚がこの土から感じられマシタ。しばらく収穫した後の土で遊んでいる四葉デシタが、兄チャマの“運ぶの手伝って〜?” って言う声で兄チャマのほうを見ると採れた野菜をリヤカーに乗せている真っ最中デス。早速手伝おうと思って兄チャマのところに行くとリヤカーの端にきれいにラッピングされた袋が置いてありマス。何デスか? これ…。そう思い兄チャマに訊いてみマシタケド、“さあなんだろうねぇ〜? ここは名探偵の出番じゃないのかな?” って言ってにこっと微笑んでマス。しばらくう〜むと考える四葉でしたが、分かりません。と兄チャマが、“今日は何月何日?” ってますます分からない問題を投げかけてきマス。何月何日…、何月何日? そ、そそそそうでした。今日は四葉のお誕生日じゃあないデスか? はっ! となる四葉に、“忘れっぽい探偵さんだなぁ〜” そう言いながら前よりももっとにこにこしたお顔で袋を渡してくれマシタ。えへへっ、これじゃあ探偵さんは失格ですね? そう思いながら夕焼けの道を歩く今日6月21日、四葉のお誕生日デス。クフフッ…。
END