ぽんこつ日記


 みんなぁ、元気ぃ〜? わたしは、早坂日和だよ〜。
 実は今日から日記をつけることにしたのぉ〜。るんらら〜。
 今日は何があったかな…。う〜んと。う〜んと……。ぐぅ〜……。って、わわわっ、寝ちゃったよ〜。とりあえず何でもいいから書こ〜っと……。
 今日は、けんちゃんと雪希ちゃんと一緒に学校に行って〜、って、あっ、途中で清香ちゃんと進藤さんが来て、けんちゃんと口喧嘩したんだっけ…。それはいつものことなんだけどね……。
 でもその後で、けんちゃん、いつもわたしをいじめてくるの〜。
 うわぁ〜ん。わたし、何も悪いことしてないのに〜。そしたらけんちゃんったら、わたしの顔を睨みつけてこう言ってくるんだよ〜…。
「お前がぽんこつだから悪いんだっ!!」
 って…。うわぁ〜ん。わたし、ぽんこつじゃないよ〜。なのにけんちゃんは、いつも「ぽんこつ」って言ってくるのぉ〜。ううううう〜っ。雪希ちゃんはそんなわたしを見て……、
「お兄ちゃん…、日和お姉ちゃんが可愛そうだよ…」
 って言ってくれるんだっ。えへへっ…。雪希ちゃんに言われると、けんちゃんはなにも言えないみたい。うふふっ。なんかぁ、奥さんに頭が上がらない旦那さんみたいだよ〜? けんちゃん…。
 それから〜、昼休みに〜…、う〜んと…。あっ、そうそう……。
「日和!! そのおかず、俺によこせ!!」
 けんちゃんったら、わたしが最後のお楽しみに食べようと思ってたおかずを取っちゃったんだよ〜?
「えっ? わわっ。それは最後のお楽しみに取っておいたのに〜。ひどいよぉ〜。けんちゃ〜ん。うわぁ〜ん」
「ふんっ!! お前が先に食わねーのが悪いんだっ!!」
 そんなこと言ったって、美味しいおかずは最後まで取っておくものなんだよ〜。
 ひどいよぉ〜。ぐっすん…。しくしくしく……。ぐよぐよぐよ〜。
 わたしが泣いているのを見て悪いと思ったのか、けんちゃんは…、
「悪かった…。お前がそんなにあのおかずが食いたかったなんてな…。すまねぇ…。そのかわり、今日の帰りに寄り道して喫茶店にでも行こーぜ。雪希は部活で遅くなるって言ってたしよ…」
 って言ってくれたの〜。わ〜い! けんちゃんとデートだよぉ〜! 今までの顔が嘘のようにわたしはにっこり…。
泣いたカラスがもう笑うって言うのは、お前のようなことを言うんだな…
 けんちゃんが何か言ってたような気がするけど、知らないよ〜? るんららぁ〜。
 学校からの帰り、けんちゃんと一緒に喫茶店に行った。けんちゃんが奢ってくれるって言ったからわたしはクリームソーダを注文したの。
「ここのクリームソーダは美味しいって学校で評判なんだよ〜っ」
 って、わたしがそう言うと、けんちゃんが…、
「何っ? ほんとか? どれ…、俺にも食わせてみろ…」
 って、強引にわたしからクリームソーダを取り上げて…、全部食べちゃったのぉ〜。
 うわぁ〜ん。わたし、まだ一口しか食べてないのにぃ〜。ぐよぐよぐよ〜。わたしが泣いているのを見て困った顔をするけんちゃん…。ぐよぐよぐよ〜。
 …そしたらけんちゃんが、ちょうど通りかかったウェイトレスさんを呼び止めて…、
「ああ…、あの〜…、すみません、このクリームソーダ、も一つ下さい。って、いつまで泣いてんだっ? 日和…。全く……。子供じゃねえんだからよ……」
 ってわたしの頭を撫でてくれたの〜。えへへっ。もう、それだけでわたしの顔はニコニコ顔…。けんちゃんはそんなわたしの顔を見つめて……、
「ころころ変わるヤツめっ」
 って言いながら微笑んでた…。ウェイトレスさんは…、
「はい、かしこまりました…。……素敵な彼氏さんですねっ。うふふっ」
 って、微笑みながら厨房の方へと消えていったの〜。


 今日も、いっぱいいろんなことがあったね〜。明日はどんな一日になるのかなぁ〜。楽しみだよ〜。
 じゃあ、今日はもう寝るね…。写真立てのけんちゃんに向かってわたしはそう言う。布団に入ってスタンドの電気を消す…。ふ、ふぁぁぁぁ…、眠くなってきちゃった。
 その時、わたしは思った。今夜もけんちゃんの夢が見られるといいな…。って…。

END