雪希えもんの話


 皆さん、こんにちは。片瀬雪希です。
 皆さんは、もう知っているかもしれないですが、私にはお兄ちゃんが一人います。私とは血の繋がらないお兄ちゃんが…。
 コンコン。
「お兄ちゃん? 朝だよ…。起きて…」
 私は今日もいつものようにお兄ちゃんを起こします。これが、私の毎日の朝の日課だから…。しばらくして、お兄ちゃんの眠たそうな声が聞こえてきました。
「ふぁぁぁぁぁ〜。雪希か? 時間は…。え〜っと…。まだ余裕があるな…。雪希、すぐに着替えて下に降りるから、先に朝飯、用意しててくれ」
「うん。分かったよ。お兄ちゃん」
 私はそう言って一階に降りました。お味噌汁を温めなおして、ご飯をよそっているところへお兄ちゃんが制服に着替えて降りてきます。。私の作った朝ご飯を見てお兄ちゃんが…、
「おっ? 今日も美味そうだな…」
 そう言って微笑んでいました。私はその言葉だけでにこにこ顔…。我が家の朝の風景は毎日こんな感じかな?
 玄関を出ると今日もいいお天気。私はすぅ〜っと深呼吸…。横では、お兄ちゃんが微笑んでいました。
 日和お姉ちゃんのところにお迎えに行きます。これも毎朝の日課かな?…。うふふっ…。お兄ちゃんがチャイムを押すと…。
「あ〜〜っ。けんちゃん、雪希ちゃん。おはよ〜」
「よぅ、へっぽこ。今日もぽんこつだな」
 お兄ちゃんは日和お姉ちゃんの顔を見るや否や、こう言います。これも…、日課…、なのかな?
「う〜〜〜っ。わたし、へっぽこでもぽんこつでもないよ〜っ。ひどいよ〜っ、けんちゃ〜ん。うわぁ〜〜〜ん。ぐよぐよぐよ〜」
 日和お姉ちゃんはそんなことを言うとお兄ちゃんの顔を睨んでいました。あのね…。日和お姉ちゃん…。
 そんな顔したってお兄ちゃんにはあまり効いていないかも……。だってお兄ちゃん、いたずらっぽく微笑んでいるんだもの…。
 お兄ちゃんを睨んでいる日和お姉ちゃんを見ながら私はいつもそう思うの……。
 う〜っ、う〜っと言いながら日和お姉ちゃんは、私たちに並んでお兄ちゃんの顔をじ〜っと睨んでる…。私はちょっと苦笑い…。と、遠くの方から進藤さんと清香さんの声が聞こえてくる。
「健二〜!!」
「せんぱ〜〜〜〜い(はぁと)」
「なっ? なんだぁ? って、マシンガンとちびっこじゃねーか。どうだ? アンテナの具合は?」
「うっ、うるさいうるさ〜い!! アンテナじゃないわよっ!! リボンよっ!! これはっ!! ふんっ! この、バカ健二っ!!」
「健二先輩!! 私はマシンガンじゃありませんよっ! だいたい…、何で私たちだけそんな風に呼ぶんですかっ? ひどいですよっ! 健二先輩!!」
 いつもの朝……、いつもの風景…。私は、ふふっと微笑んだ。


「じゃあな。雪希。勉強、頑張れよ…。あっ、そうそう…、おまけの進藤…。お前も適当に頑張れよ〜」
「おっ、おまけ? それに適当って……。ど、どういうことですかぁ〜?! それはっ?!」
 別れ際、そんなことを言ってくるお兄ちゃん。あっ、今、清香さんに叩かれた…。大丈夫かなぁ〜。そう思いながら私は教室の扉を開けます。さあ、今日も一日頑張るぞっ!

おわり