みっしーの話
皆さん、こんにちは。天野美汐です。
最近、私のことを所帯じみた40代のおばさんだとか、家に帰れば5人の子持ちだとか、果てはおばあちゃんの知恵袋だとか…、好き勝手なことを言っている人たちがいるようです。そう! そこのあなたです! (あらぬ方向にびしッ! と指をさす美汐)
この人たちに、いかに私がナウい(死語)か証明する必要があるようです。
あっ、ちょうどあそこに私のことを日常的に「おばさんくさい」と言っている張本人が…。早速行ってみましょう…。でもまた普通に挨拶すると何か言われそうですね…。今日は、少しヤング(これまた死語)に迫ってみましょう。
「あ・い・ざ・わ・さんっ!(はぁと)」
そう言うと、私はある男の人に抱きつきます。ああっ! 男の人の背中って大きい…。私はそう思いました。と、その男の人が…、
「んあっ? な、なんだ? みっしーか?…。…じゃなかった、美汐おばさん」
その男の人は私に向かってこんなことを言ってきました。全く…、失礼ですね。
「なっ! 何ということを言うのですか? 全く…。相沢さん、もう少し、物腰が優雅だとか、大人びて見えるとか、そう言う風に言うことは出来ないのですか? それに…、私はおばさんではありません! 以前はおばさんくさいで今回はおばさんですか?」
「ああ、そうだぞ。美汐おばさん」
そう言って、朝から私に不快感を与えてくる男性は、私をおばさんくさいって言う…。いいえ、私をおばさん化しようとしている張本人…、相沢祐一さんです。
「くっ…」
「なははははは。みっしー。俺におばさんくさい…。もとい、おばさんって言われたくなかったら、その制服の下に着ているモノは早く脱ぐことだなぁ…」
相沢さんはニヤニヤ笑いながらこちらを伺っています。私は慌てて言いました…。
「せ、せ、制服の下に着ているモノって、な、な、ななな何ですか?」
「くくく…。隠したって無駄だ。ちゃんと俺は知ってるんだぞ?! お前が、ババシャツというモノを制服の下に着ているという事実をっ!!」
ががーんっ!! よろめく私……。
「なっ?! ななな、なぜそれを? さっ、最高国家機密でしたのに!!…」
「ふふふ…。じつは真琴がこっそり教えてくれたんだ…。ついでを言うと、朝は4時に起きてるとか、休みの昼間は縁側で猫をさすりながらぼ〜っとしてるとか、お茶は渋い番茶に限るとか、晩は……」
「わーっ、わーっ、わーっ!!」
登校中に、わざと大きな声で話す相沢さん。他の生徒に聞かれてしまうではありませんか!? でも…、やはり原因は真琴でしたか…。これは少し懲らしめてあげないといけませんね…。ふふっ…(恐)。
「じゃあ、そのババシャツは脱ぐことだなぁ。見えてるぞ…。制服の下…」
はっ! と、私は気付きます。制服の下から厚手の黄土色のシャツが見えていました。私は慌てて服を直しました。そんな私を見て、相沢さんは屈辱的な言葉を言います。
「くくく……、みっしー。やっぱりお前は、お・ば・さ・ん、だっ。それじゃなかったら、お・ば・あ・さ・ん、だなぁ〜。わーっはっはっはっはっはっはっはっ…」
が〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん!!
花の女子高生…。今はそれも虚しいです。私はその場に立ち尽くしていました。相沢さんはそう言って、私の肩をぽんぽんと叩いて校門へとさっさと行ってしまいました。私はと言うと…、
「ううう……」
その目に悔し涙をいっぱい滲ませながら、去ってゆく相沢さんを睨んで立ち尽くすのでした…。
そして…。その日の昼間、私は更衣室で密かにそのシャツを脱ぎました。と、途端に私は……、
「くちゅん!!」
風邪を引いて早退…。挙句の果てに、3日間も寝込んでしまうという失態を曝け出してしまいました。は〜あ…。
おわり